コラム

スポーツバカはいない?!

スポーツバカという言葉を聞いたことがありますか?

もしかしたら、誰から言われたこと、もしかしたら誰かに言ったことがあるかもしれません。
スポーツバカとはどういう意味でしょうか?

察するに「スポーツしかしていなくて勉強や社会の常識を知らない人」のことを指すのだと思いますが、
これはスポーツの価値を理解していない人の言葉でしょう。

私はスポーツバカはいないと信じています。
レベルに関わらず、スポーツに一生懸命打ちこめること、それだけで素晴らしいことです。

そしてスポーツをする中で、成功・失敗の結果がダイレクトに
自分に降りかかってくるインパクトの強い学びが繰り返し繰り返し行われます。
『シュートを打った→入った or 入らない』というプロセスが自分にも周囲にもわかりやすく見えます。
そして、その結果をどう受け止め、どう消化し、どう次につなげるかが成長できるかどうかの分かれ道です。

自分のイメージ通りに体を動かすために、
心・技・体を磨きあげる練習を日々行う中でも自分と向き合う能力が求められます。

このようなプロセスを小さい頃から何年も日々繰り返してきた人がバカなわけがありません。

もしもバカのように映るのなら、それは彼ら・彼女らがスポーツを通じて身につけた
様々な能力やスキルを他の分野で応用する方法を知らないからです。

スポーツスキル;シュートを打つ、早いボールを投げる、高く飛ぶといったことは
スポーツ以外であまり使う機会はないかもしれませんが、
年齢の違う人たちともコミュニケーションが取れる、
チームのルールを守る、リーダーシップがとれる、
チームで力を合わせて何かを達成する喜びを知っているなどということは、
スポーツ以外の分野でもとても大切なことです。

かの有名なバスケットボール選手マイケル・ジョーダンも
「バスケットボールで学んだことは、スラムダンクでもなく、
シュートでもなく、また、ドリブルワークでもない。
人生において生きるための基本を学んだ。」と言っています。

このように生きていくために必要なスキルは、「ライフスキル」とも呼ばれます。
そして他の分野へ応用可能なライフスキルのことを
「トランスファラブルスキル(応用可能なスキル)」と言われます。

トランスファラブルスキルは、音楽や絵を描くことなどどの分野で身につけることもできます。

スポーツをしている人はスポーツからこれを潜在的に身につけているわけですが、
実は身につけていることを知らない人がとても多いのです。

欧米のスポーツ選手はこのスキルを顕在化し、
セカンドキャリアへ生かし、ビジネスや弁護士など活躍している人がたくさんいます。

日本でも「スポーツをしてました」と言ったら、
「ああ、じゃあ君は優秀なんだね」と言われるようにスポーツの価値を向上し、
スポーツをしている人も社会も正しくスポーツの価値を認識できるようになりたいですね。